「これは、有限会社トミーウォーカーの運営するシルバーレインの作品として、
有限会社トミーウォーカーによって作成されたものです。イラストの使用権は作品を発注したお客様に、
著作権は海産物様に、全ての権利は有限会社トミーウォーカーが所有します。」
【CV 川澄綾子/BGM 幻想機械(夢違科学世紀より)】
ルルティアに弟子入りし、日々の背活を支えている苦労人。
性格はほぼ外見通りクールで、余り人に感情を見せる事は無い……筈だったのだが最近は師匠への愚痴が多い。
基本的に「怒る」と言う感情を持つ事は無いが、その気魄は師匠も認める一級品。
ガトリングガンと「白燐蟲」と呼ばれた小型の昆虫型ロボットを武器に、圧倒的な弾幕で戦線を支える戦法を得意とする。
ただ、戦闘以外の事となると人に言われるままに動いてしまうタイプで、諦めるたり呆れたり事も多いが、人との約束は厳守している。
見た目に反し基本的に勤労好きであり、人に尽くす事を喜びとしている。
そこに漬け込んだルルティアによって、彼女は二人分の生活を支える事となった。
彼女もまた師と同様に異世界の住人であった。
「Project Sargat」
彼女はその計画の下に作られた人造人間だ。
彼女のルーツを辿るには彼女の居た世界を知る必要がある。
彼女が生みだされる約500年前。
彼女の世界では「ロストイブ」と言う大災害が起こった。
500年が過ぎても未だその原因を見つけることができていない。
「ロストイブ」とは、言葉の通り全世界から人間の女性全てが忽然と姿を消してしまったと言う物だ。
人類は繁殖の手段を失い、絶滅するかに思えた。
だが一人、たった一人だけ全ての女性と入れ替わるようにして現れた女性が居た。
その名は、ルルティア・サーゲイト。
人類はさも当然の様に彼女を奪い合い、争いが起きた。
ありとあらゆる手段を講じ、彼女の尊厳を踏みにじるような事でさえ平気で行おうとした。
だが、その争いもルルティアの死と共に幕を閉じる事となる。
彼女の死に後悔と、己の浅はかさを思い知らされた人類は、自らの手で女性を作り上げようと決意した。
それから約50年の時が過ぎ、初めての人造人間が生み出された。
その開発にはこれまたルルティアが関わっている。
人造人間のベースとなったのが、唯一残ったサンプルであるルルティアの遺体だったからだ。
それから倒れかけていた人類は急速に蘇るように動き出した。
人造人間の人権を法整備で固め、同じ過ちを繰り返さないようにしたのだ。
それから450年。
人造人間は人類にとって欠かせないパートナーとなった。
彼女たちは人に尽くす事を喜びとする。
それは、人類……というより男の勝手な判断と非難されるかもしれない。
だが、過ちを学んだ男達もまた、彼女たちに尽くす事を喜びとするようになった。
科学が進み、人類は安定を取り戻した頃一つの計画が打ち出された。
それが、「Project Sargat」である。
全ての人造人間のルーツであり、ロストイブ後の人類を救った彼女は一体どんな人物だったのか。
生前の彼女の記録は殆ど口伝で、その記録も500年の時の流れで風化しかけていた。
しかし、断片的な情報をつなぎ合わせルルティアを再現した人造人間の開発が行われた。
その結果生まれたのがメルティア・サーゲイト・シリーズである。
その数、実に三万人。
彼女たちは時空の壁を乗り越え、オリジナルであるルルティア・サーゲイトを探し出すべく出発した。
人造人間の技術が確立された後、二つの技術が開発を進められた。
一つは次元跳躍技術。
一言で言えばワープである。
それもただ移動するだけでなく、異世界へと移動する技術だ。
異世界の存在は、確実にただの人間ではなかったルルティアの存在その物が証明。
その開発は極めて困難な物だった。
超弦理論に基づき、試行錯誤を繰り返した果てに異世界へのビーコンの送信と、そのシグナルの受け取りに成功した。
この技術はようやく物質の転送を確立しただけで、生物の跳躍は行われていない。
しかも、成功率は約三万分の一。原因は異世界の次元座標が特定できなかったからである。
ほぼ全てのビーコンは世界と世界の狭間にたどり着いてしまい、消滅したと思われる。
さらに、送信には巨大な施設と莫大なエネルギー必要とし、民衆からは中止を求める声もあった。
それでも、成功は成功である。そして、開発が一段落した後に、「Project Sargat」は始まった。
もう一つはナノマシンテクノロジー。
ナノマシンとは文字通りナノサイズの機械である。
詳しくはグーグル先生やウィキペディア先生に聞いた方が早いのでここでの説明は省かせてもらう。
人間の血管内を自由に移動できるナノマシンの生成機は人造人間だけでなく、ほぼ全ての人間に無償で埋め込まれる。
ナノマシンは主に人体内部の異常を治療したり、物質の組み換えを行って様々な物を作り出す事ができる。
その中で、戦闘行為を前提とした戦闘型人造人間は特殊なナノマシンを持っている。
それは通称テラーバイトと呼ばれる戦闘用ナノマシンである。
その機能は”種”となるナノマシンのを大量にばら撒き、周囲の物質を組み替えて昆虫型のロボットを作り、高速で突撃させる物だ。
そのスピード、破壊力は共にライフル弾にも匹敵する。
ちなみに、戦闘用人造人間は胸が大きい。そこにテラーバイトの種を貯蔵しているからである。
そして、「Project Sargat」は実行された。
三万人のメルティア・サーゲイトを乗せたカプセルが、ルルティア・サーゲイトの存在したであろう座標へと撃ち出された。
その座標とは、シルバーレインの世界である。
その日、銀の雨が降り注ぎ一人のメルティア・サーゲイトがシルバーレインの世界へと降り立った。
その全く同時刻に、ルルティア・サーゲイトはシルバーレインの世界へと現れた。
偶然か必然か、ただ彼女たちはその事実すら知らない。